はじめに
ポケモン剣盾 ランクバトル シングル
シーズン31(2022/06)で使用した構築の紹介です。
最終順位は29位、最終レートは2022でした。
以下の順に解説します。
- 各ポケモンの調整、技構成
- 構築を組む上でのコンセプトと、各ポケモンを採用するに至った経緯
- 相手のパーティに対する選出と、試合中の立ち回り
前期(シーズン30)に使っていた構築の改良版ですので、そちらの記事も合わせてどうぞ。
(記事の最後にも、同じリンクを載せておきます。)
【S30 最終87位/R2005】ブラバド | クロックロックシティ
パーティ概要
個別解説
バドレックス(こくばじょうのすがた)@のろいのおふだ
配分 | 175-x-100-217(252)-121(4)-222(252+) |
技構成 | アストラルビット / やどりぎのタネ / みがわり / ちょうはつ |
調整 | C:199-136ザシアン ゴツメ×2 + アスビで乱数1発(87.5%) (または、+1アスビで乱数1発(87.5%)) D:222珠オーガのダイストリーム ダイマ状態で乱数1発(18.8%) (無振りの場合は25%なので、4振りで生存率が6.2%上がる) S:最速ザシアン抜き、緊急時の同族勝負意識 |
特殊エース、スイーパー。
最も多く撃つ、アストラルビットの価値を高められる呪いのお札を持たせました。「確定で耐えられる」を「確定で落とせる」に持っていける絶妙なダメージの伸びが、勝利に繋がります。
身代わりは欠伸と合わせるほか、ダイジェットを持たないポケモンのダイマ枯らしや、不意討ち透かしに役立ちます。
残りの2枠でラッキーに勝てるようにしたく、今回は、後出しされるバド受けに一貫する宿り木と、再生を防ぐ挑発の組み合わせを選びました。
宿り木は鬼火との選択で、どちらでも強いと思います。
仮想敵 | 攻撃 | お札なし | お札あり |
199-136ザシアン | ゴツメ×2 + アスビ | 確定2発 | 乱数1発(87.5%) |
213-174ホウオウ | アスビ | 確定3発 | 乱数2発(89.1%) |
204-129日食ネクロズマ | アスビ | 確定2発 | 確定1発 |
202-86ヌオー | アスビ | 乱数1発(6.3%) | 確定1発 |
ザシアン@くちたけん
配分 | 199(252)-221(84+)-136(4)-x-152(132)-173(36) |
技構成 | きょじゅうざん / インファイト / ワイルドボルト / でんこうせっか |
調整 | HD:202オーガの潮吹き 乱数1発(6.3%) S:準速エスバ抜き+1 (S+1で準速エスバ抜き調整をしている日ネク、ホウオウ等意識) A:残りすべて |
物理エース、タイプ受け崩し。
黒バドのゴースト技との相性補完として優秀なインファイト。ポリ2や甘えるラッキーにきちんと勝つためにも必要です。
ワイルドボルトは、ホウオウ入りのタイプ受けサイクルを崩すため、および、オーガのHPを最も減らせる技として採用しました。
構築にオーガ受けを採用していないため、潮吹き耐えの調整です。
エースバーン@いのちのたま(リベロ)
配分 | 155-184(252+)-95-x-96(4)-171(252) |
技構成 | かえんボール / ギガインパクト / とびはねる / とびひざげり |
調整 | D:珠ダメ+201珠イベルのダイアーク ダイマ状態で乱数1発(37.5%) (無振りの場合は43.8%なので、4振りで生存率が6.3%上がる) A:不特定多数へのダメージを意識して特化 S:+1ですいすいゲロゲ抜き、緊急時の同族勝負意識 |
汎用崩し枠。
任意の相手と雑に撃ち合うことで、最低1対1交換を行い、サイクルに穴を開けることが役割です。
他の珠アタッカーと異なる長所はダイアタックを強く撃てる点。ランドロスなどの対面負ける相手でも、相手のSを±0に保つことができ、後続のザシアンや黒バドで上から処理できます。
このポケモンに対して、相手はヌオーやサンダー等の物理受け(受からない)を投げてダイマターンを枯らしにくるため、ザシアンと合わせて役割集中の動きを取ることが多いです。
サンダー@ゴツゴツメット(せいでんき)
配分 | 197(252)-x-150(252+)-146(4)-110-119(個体値29) |
技構成 | ほうでん / ぼうふう / ボルトチェンジ / はねやすめ |
調整 | HB:220ザシアンの巨獣+じゃれ 瀕死率20.3% (目安として、剣舞を前提とした速いザシアンに受け出せる程度) S:同族勝負で下からボルチェンを撃てる |
対物理クッション、削り枠。
ザシアンにゴツメを2回当てれば、黒バドのアスビ圏内に入れられるため、それだけで求められる役割は終了です。加えて、運が良い or ザシアンの火力が低い場合は残数有利を保ててお得。
ザシアン+ガオガエンの並びにダイマして強かったり、ランドやエスバとほんのり戦えたり、ブラッキーの苦手なウーラオスに後出しできたりと、「殴れるクッション」として優秀でした。
ボルチェンがあることで、ゼルネアスやゼクロムなど、サンダーを起点にしたい相手と対面しないようにサイクルを回すことができます。
ブラッキー@たべのこし(せいしんりょく)
配分 | 202(252)-85-131(4)-80-200(252+)-63(-,個体値0) |
技構成 | イカサマ / バークアウト / あくび / つきのひかり |
調整 | HD:238黒バドのダイフェアリー 残飯込みで乱数2発(1.2%) H:月の光の回復量は五捨五超入であるため、偶数 A242-BD136ザシアン イカサマ+黒バドのアスビで202~238ダメージ A220-BD136ザシアン 同上で195~231ダメージ |
対特殊クッション、起点作成。
序盤の欠伸は相手の選出を見るため、中盤の欠伸はザシアンやエスバが殴り始める起点を作るため、終盤の欠伸は黒バドが身代わりを置いて詰めるために使います。強くて偉くて大好きな技です。
タイプ一致イカサマと欠伸の2つで、このポケモンが取り得る限りの汎用性は確保できているため、身代わり持ちの黒バドにも負けないために、バークアウトを入れています。
特殊受けとしては「対黒バド入り」に偏っている気もしますが、それでも選出率を損なわない実績が、この環境での黒バドの多さと強さを物語っています。
ラグラージ@オボンのみ(げきりゅう)
配分 | 207(252)-130-154(236+)-x-113(20)-58(-,個体値0) |
技構成 | じしん / クイックターン / ステルスロック / あくび |
調整 | HD:194珠サンダーのダイジェット 乱数1発(6.3%) HB:231ザシアンのじゃれ×2 命中率込みで瀕死率13.0% S:クイタンは後攻で撃つほうが強いため、最遅 |
起点作成、対面操作。
黒バドの項で記載した通り、+1アスビで相手のザシアンを落とせるため、巨獣斬に後出ししてから、欠伸で一度引かせる動きが強いと考え採用しました。
ブラッキーと相性のよいステロを覚える点、クイタンで相手の欠伸ループを抜けられる点、ボルチェンの一貫を切れる点など、この構築に欲しい要素を補完しています。
今の環境で使うなら、身代わりを持ったザシアンやダイナに負けないために、地震は必須と感じました。
構築経緯
攻めの圧力:ザシアン、黒バドレックスの採用
主なザシアン受け:
主な黒バド受け :
場に繰り出されるこれらの「受け」を、崩しの起点に利用していくことが、この構築のコンセプトです。
崩し枠:エースバーンの採用
ザシアン+黒バドの2匹では、ヌオー+バンギのような「ザシアン受け+黒バド受け」の並びを崩すことは、一筋縄ではいきません。
受けるのが困難なこのポケモンを止めるために、相手は「受けを1匹捨てる」か「ダイマを合わせる」という、言うなれば強制された一手を取らざるを得ません。綻んだ「ザシアン受け」または「黒バド受け」に対応するほうを、エスバの後続として通していきます。例に挙げたヌオー+バンギであれば、エスバでヌオーを削れた場合はザシアンを、バンギを倒せた場合は黒バドを、相手は止めることができなくなります。
崩しの役割を全うするだけのパワーを引き出すために、この枠は「いのちのたま」持ちが望ましいです。サンダー、ランド、ゲロゲなどの候補の中でエスバを選んだ理由は、個別解説の項で記載した通り、撃ち合いに負けても「ダイアタック」で後続に繋げられる点が偉いと思ったためです。
このように、「エスバ+ザシアン」や「エスバ+黒バド」、あるいは3体すべてで以て、最高レベルの圧力の役割集中をかけることが、この構築の大きな勝ち筋となります。
ミラー対策:サンダー、ブラッキーの採用
vs. ザシアン、コピーザシアン
- 巨獣斬半減
- スカーフコピーザシアンを後出しから受けきるために、再生技を覚える
- 対ザシアン以外にも選出しやすい
これに最も当てはまる「サンダー」を採用することにしました。環境で強いポケモンが自然にパーティに入ってくると、何か安心感がありますよね。
vs. 黒バド、コピー黒バド
- アスビ半減
- サンダーとの受けの歩幅を揃えるために、再生技を覚える
- 黒バドと対面した際に、裏に一貫する技を撃てる
- 欠伸と、黒バドの身代わりとの相性の良さ
- ステロが抜群ではないため、サイクル上で崩されにくい
役割補完:ラグラージの採用
- 欠伸持ち(カバ、ラグ)
- 物理珠アタッカー(エスバ、ランド)
- ボルチェン持ち(サンダー、ロトム)
以上で、構築の完成です🎉
選出、立ち回り
相手の1体が異なるだけで選出がガラッと変わったりしますので、あくまで参考として見ていただけると幸いです。
vs. バド入り
バド入りには、可能な限りブラッキーを選出することで、安定感のあるサイクルを形成することができます。
vs. ザシバド①(バド受けがガエンの場合)
⇒
最も安定感のある、この構築の基本選出です。珠サンダーに対応するために初手はブラッキー。ガエンに総出でイカサマ、アスビ、ゴツメを当てて削り、黒バドの一貫を作ります。
相手の黒バドが生きている限りはブラッキーを切ってはいけませんが、トリックで崩してきた場合は、こちらの黒バドが確実に上を取れるようになるため、イカサマ連打で切ってOKです。
vs. ザシバド②(バド受けがバンギの場合)
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エスバで受けを崩してザシアンor黒バドを通します。ブラッキーを出せなかった場合、エスバの不意討ちを無視してアスビで突っ込んでくるスカーフ黒バドには勝てません。ほぼミラーでありキツいのはお互い様なので、そのような魂プレイングは割り切るしかないのかもしれません。
vs. ザシバド③(バド受けがポリ2の場合)
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ロクブラのあるバンギと異なり、ポリ2は黒バドの身代わりを貫通できないため、交代際からの「やどみが」ハメが成立します。そこにステロを絡めれば、崩し速度はさらに上がります。
ザシアンは地震やイカサマで削ることよりも、欠伸で引かせて+1アスビで倒すようにして、極力数的不利を取らないように立ち回ります。
vs. バドホウオウ
⇒
テンポを取られないために、ホウオウ入りには必ずサンダーから入ります。
サンダーに対して投げられるポリ2やバンギからボルチェンで逃げ、ザシアンを対面させましょう。序盤は愚直に目の前に通る技を撃ち、相手のホウオウのダイマが枯れたあとに、ワイボで崩していきます。
余談ですが、サンダーの特性をプレッシャーにすると、聖炎を早急に枯らすことができるため、さらに楽になると思います。同じ並びでホウオウがチョッキの構築も散見されたため、今後もこの並びが開拓されるのであれば、検討の余地ありです。
vs. ザシ入り
vs. ザシイベル
⇒
相手の初手がザシ以外なら、エスバで初手ダイマを切って数的有利を取り、前のめりに、逃げ切るように戦います。
ザシイベルのザシは最速と決めつけてかかります。ザシザシ対面剣舞から入ってくるので、必ず巨獣斬を撃ってからサンダーに引くことを心掛けていました。
vs. ザシオーガ
⇒
オーガに後出しできるポケモンは用意していないため、対面的に戦うしかありません。スカーフオーガを考慮すると初手もほぼザシアンに固定されます。そのような制約がある中でも、ザシアン、黒バド、エスバの3体が上から攻撃を叩き込めるため、勝率を落とすことはなかった印象です。
ちなみに前期はラグの枠にトドンを採用していたのですが、なぜかその頃よりも勝ててしまって(?)います……。
vs. ダイナ入り
vs. ダイナイベル
⇒
ダイナイベルというよりも、ダイナ+ヌオー+黒バド受けの並びがキツいです。
ヌオー1匹ならエスバ→ザシアンの役割集中で崩せるのですが、ダイナがいる場合、エスバをダイナで相手されてしまうため、ヌオーに対してエスバの攻撃が届きません。
したがってこの並びに対してはエスバではなく、黒バドを通す選出をします。
イベルにステロを踏ませ、最終的にアスビで倒せるよう、圏内まで削っていきます。相手の不意討ちは考慮されない身代わりで透かせます。
ザシアンは、眼鏡ダイナの技の一貫切り、および、イベルを流すための要員として選出します。
メタモンをケアする余裕が無い点もウムム…です。
vs. ダイナネクロ
⇒
黒バドが通ります。
すべてのダイナ入りに当てはまる立ち回りとして、ラグがダイナと対面したら、眼鏡流星群ケアで一度ザシアンに引くようにすると、勝率を安定させることができます。
弱保等を持ったネクロが黒バド対面で無理やりダイマを切ってきたりしますが、華麗に身代わりでかわしたりと、丁寧なプレイングを心掛けます。
vs. ネクロ入り
vs. ネクロゼルネ
⇒
壁構築に対しては、壁役をラグの後攻クイタンでちまちま削りながらターンを稼ぎ、機を見て黒バドを通しにいきます。
相手のゼルネに対する切り返しのために、ザシアンを添えることが必須です。黒バドを通すほかに、エスバで崩しにいってもよいと思います。
重いポケモン
ムゲンダイナ+ヌオー+バンギラス:
ダイナ+イベルの項で記載した通り、エスバがダイナで止まるため、黒バドを通すしかありません。しかし、黒バド受けの中でも特にバンギに対しては、相当な択を合わせないと削りきることができません。
それどころか、初手の黒バド-ダイナ対面にて、「バンギがいるからダイサイコは撃たれないであろう」と高を括って放たれる眼鏡ダイマ砲を浴びて、easy loseする展開もままあります。
ゼルネアス(ラスカ持ち):
この構築ではゼルネをザシアン単体で見ているため、うまくダイスチルを積まれると、ゼルネを突破できなくなってしまいます。ラグやサンダーがゼルネと対面した場合でも、ザシアンに即引きせず、ダイマで無理やり削るなど、立ち回りを考える必要があったと痛感しています。
おわりに
今期の特に終盤は、ザシバド+ラキヌオーという並びの使用者が本当に多く、元々そこにメタを張っていたこの構築がぴったりハマった結果となります。前期結果を残したバドザシやバドホウオウはともかく、その枠とは異なる流行りについては、正直予測できません。このことから、「環境にハマる」というある意味最大の運ゲに勝利したとも言えます。とはいえ、それonlyで結果を残せるほど甘くはないとも思いますので、褒めてもらえたら嬉しいです。
最終日の翌日眠すぎて、僕もオフィスで欠伸連打してました。
本構築の元となった、前期(シーズン30)の構築記事
【S30 最終87位/R2005】ブラバド | クロックロックシティ
Twitter:@hal_rock6
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