はじめに
新海誠監督の最新作、『天気の子』を観てきたので感想を記します。ネタバレを存分に含みますので、まだ観てない方はブラウザを閉じてぜひ映画館に足を運んでください。
物語の流れを7つに分割してそれぞれお話しします。
シーン別 感想
新宿徘徊
風俗や居酒屋のキャッチ、ゴミみたいなウェイ共がグチャグチャとたむろする汚ねえ街、新宿。(個人の感想です。)
そんな景色を、”初めての東京”である帆高の視点で探検するの、僕はワクワクしました。実在の店舗とか商品とかやたら出てましたが、ここが帆高にとっての”現実”であることを印象付ける演出として面白いと思いました。ちょっと出しすぎ感もあるけどね。
陽菜との出会い~ライター業の手伝い
陽菜が「バイトクビになった」って言って(マッククビになるってなんやねん……)と思いましたが普通に伏線でしたね。こういう”スルーできる程度の違和感“を残した脚本、好きです。
あと本田翼の演技は例のシーン以外特に違和感無かったですね。
晴れ女パワーで人助け行脚
平和でよき。チキンラーメンとポテチのアレとかちょっと真似したくなっちゃったし、『君の名は。』のキャラ差し込んできたり、“商業”上手いな~と感心してました。
どうでもいいですけど、『君の名は。』のおかげでめちゃくちゃな規模のプロモーションかけてますよね、この作品。
警官からの逃走劇
子供たちだけで何かから逃げる展開、個人的にとても好きです。交通機関を乗り継いで、どうにか遠くへ行こうとしてるときの不安感とか、腰を下ろせる隠れ場所(今回はラブホ)にやっとたどり着いた時の安心感とか。
バイクでの爆走は単純にエンターテインメント。大人の警官をひらりとかわし、線路を走り回っても捕まらないのはまあ……お約束ってことで……。
空の上に到達!
蒸発した陽菜を助けに、廃ビルの屋上から”空の上”に到達。そこから2人で降下するシーン。
何が良いって音楽!!!『グランドエスケープ』が流れたとき、何かこみあげてくるものがありましたね。別に大したセリフがあるわけでもなく、ただ落ちているだけなのに。
作画、音楽、演出など諸々のパワーをこれでもかといった具合に詰め込んだ名シーンだと思います。
3年後・・・
ぼく「(は?)」
映画館で危うく声が出るところでした。今まで徹底して”現実の街”を描いていたのに、急にSFチックな展開になってそりゃあビックリです。は? いや、マジで。なんだよこれ……。
でもコレ無かったら、「いい青春アニメだったな~」って思って1週間後にはスッと頭から消えていたでしょう。ある意味最も必要な展開であったかもしれません。いや、……は?
結末
「世界か、ヒロインか、どちらかを選ぶなんて俺にはできない!」
「なんとかして、俺は両方救ってみせる!」
とか言って両方救ってハッピーエンド、みたいな作品が沢山ある中で、極めて利己的な選択で完結しましたね。だってしょうがないじゃん、僕にはどうすることもできないし、僕には陽菜が必要なんだもん!
帆高は一貫して”ワガママ”なキャラとして作られていると思いました。故郷から勝手に家出して、色んな人に迷惑かけながら東京で暮らして、あまつさえ世話になった圭介に銃を向けて、最後には世界よりも自分たちの愛を選ぶ……。
まさにブッ叩かれそうな結末ですが、この点の一貫性があったので僕は悪くないと思いました。
ちなみに僕が鑑賞後、いの一番に投稿したツイートは以下になります。
総評
きれいな作画、透き通る背景、爽やかな演出と視覚的にも夏に観たい一作。
劇中歌はどれも素晴らしく、この作品の一番の魅力といっても過言ではないでしょう。
終盤の評価こそ分かれるものの、じゅうぶん人にオススメできる良作だと思いました。
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